1.キット組立

Q1-1. ドレンコック(蛇口)が真下に向かない?
 
Ans. ***初回の組立では、蛇口が真下に向く位置まで閉め込むには最後の4分の1回転は多少力を要します。
 説明書には「ドレインコックは閉めすぎないように」と書いてありますが、ゴムパッキンが圧迫されるところまで 閉め込んでやらなければ結合部から水漏れしてしまいますのでゆっくりと少しずつ閉め込んで下さい。
また取付後は、新聞紙の上などに置いて適量の水を入れ水漏れがないか確認して下さい。

Q1-2. パッキンはどこに付けるの? 発酵タンク-パッキン
 
Ans. ***蓋用パッキンは、説明書には蓋と発酵タンクの間に付ける図式になっていますので、タンク側の外周に取り付けられる方がいらっしゃいますが、これではパッキンの役目を成さず炭酸ガスがエアーロックを通過せずに洩れて 行ってしまいます。
 パッキンは蓋の内側の溝にはめて下さい。 結果、蓋を閉めた際タンクとの密閉を保つことが出来ます。


2.仕込み行程

Q2-1. ビール原料の湯煎
 
Ans. ***ビールの原料(モルトエキス)は、海外メーカーにより収穫した大麦を乾燥・粉砕・糖化・濾過した後、麦汁とした溶液にホップを加え、水分約20%にまで煮立てて濃縮したシロップ状のエキスです。水飴状で粘度がありますので、発酵タンクに流し込み易くする為に缶の蓋を開けずに、熱湯に5〜10分湯煎します。
 その後缶の蓋を開けてタンクに注ぎ、水を加えれば麦汁の出来上がり!とても簡単です。
尚、 フレイバーの安定と雑味と雑菌を防ぐ目的で別途煮込む行程は、原料製造元によると、かえって風味が飛んでしまうことになるので、しない方がよろしいとの事です。また、書籍等にある方法は完全密閉型の普及前の過程であり、現在のメーカ側のモルト精製技術の過程では、雑菌の混入やフレイバーの安定性は万全との事ですので、その過程は省くことで、一次仕込み行程がとても楽になりました。
 別途ホップを加え、苦みと風味を麦汁に添加する際は、鍋にあけて約1時間弱火で焦げないようにじっくりと撹拌します。(Q8-1参照)

3.一次発酵

Q3-1. 温度管理について
 
Ans. ***温度管理は、真夏、真冬でない限り室内の常温での管理で十分です。
(マニュアルにも記載していますが、一次発酵時の最適温は24〜26度です。 しかし18〜32度の間であれば発酵は問題なく始まります。) 一次発酵期間中は温度を一定に保てば理想的でしょうが、自家醸造の場合、まずはそこまでシビアな管理には拘らずともよいのではないかと思います。
 特別な対処法は個々の創意工夫で年中オンシーズンすが、通常は真夏と真冬の1〜2ヶ月間づつはオフシーズンとして、その前に造り溜めしている方が多い様です。
 因みに室内温度が日中でも常時18度以下になる時期になり、ボコボコと発酵が始まらない様なら、タンクの廻りを毛布等でくるんだり、電化製品の安売り店やホームセンターで安価に販売されている「ソフトアンカ」を下に敷いて、毛布やビニール袋を被せるなどして温度管理に努めています。  また、少々手間はかかりますが、タンクが収まる輸送用コンテナや衣類収納プラBOXに水を張り、熱帯魚用ヒーターとサーモスタットで保温し、水槽用のエアーストーン (通称ブクブク)で対流させてやれば、バッチリ25度に保つことが出来ます。
 真夏の一次発酵期間は雑菌の繁殖も活発化する時期ですので、避けた方が賢明ではないかと思います。室温が上がり過ぎない様に温度管理をするのであれば、室内にクーラーを利かしたり、輸送用コンテナや衣類収納プラBOXに水を張り、氷で調整する方法等があります。

Q3-2. 一次発酵終了の目安
 
Ans. *** 最も簡単確実なのは、比重計で確認する方法です。(使用法はQ8-3参照)
 WANDERキットには標準装備されていますがミニ樽キットには装備されていないのでオプションとしてのご購入をお奨めします。
 一次発酵の始まりは、イースト菌添加後24〜48時間でエアーロックから「ポコポコ」と炭酸ガスを放出する音を聞くことで確認することが出来ます。
  また、タンク内の気泡は 夏場で約5日間、冬場で約10日間で安定化しますが、 温度・湿度・モルトや糖分の種類により発酵具合に違いがありますので、一概には言えません。ボコボコが聞こえなくなっても発酵はゆっくり続いていますので、完全に一次発酵が終了してから、更に1〜2日はタンク内で対流していた増殖したイースト菌を底に沈めて、澄んだビールを取り出す為にもそのまま放置して安静にしておいて下さい。
  目安としては、ボコボコが終わってもプラス1〜2日は待ってビン詰めを行って下さい。

4.ボトリング(ビン詰め行程)

Q4-1. ボトリング時にはエアーロックを外して
 
Ans. ***タンク移動時やボトリングの際にはエアーロックを外して行わないと、タンク内は減圧状態ですので、ゴボゴボと逆流が起こります。

Q4-2. ビン詰め作業
 
Ans. 1. ビール瓶を用意(小瓶は途中経過の味見用やプレゼントに何本か用意しておくと後々便利)
2. 酒屋で買ってきたビンの洗浄は中性洗剤やキッチンハイター等で専用ブラシで念入りに行う。
(この洗いとすすぎが一番難儀!?ですので、すすぎを考慮し洗剤を選択して下さい)
(また、かなりのカビ、汚れがある場合は洗剤水を入れ一日放っておくと汚れは浮いてきます。)  飲み終わったばかりのビンは数回すすぎ、逆さに保管しておけばOK。
3. ボトリング時は、エアーロックを外す。(タンク内は減圧状態の為、逆流する。)  
4. 比重を計る。 比重が1010前後になっていれば瓶詰めOK。
5. ビン詰め直前の作業として5g/1Lのステアライザー又はエタノールをじょうごを使って入れ完 全消毒する。
  ゴボゴボしてる間にビンの口も浸し消毒する。次のビンからビンへ移し続けていく 
6. 逆さにして消毒水をきる。(この時ビンの口が接する部分の対策も怠りなく。)
7. 王冠も5g/1Lのステアライザー又はエタノールに浸し消毒しておく。
8. 泡と炭酸ガスを作るための2次発酵用砂糖(プライミングシュガー)をビンに入れる。
  或いは逆に、麦汁を注入してから入れてもOK(シュワーっと音がする)
 砂糖の量は、物の本には100ccに対し0.5gが目安とあるが各々の好みで調整し、色々と試して みて下さい。(炭酸度と泡に影響します)
9. 打栓して出来上がり!

追記.:打栓前(プライミングシュガー投入後)に王冠を乗せた状態で暫く(5分程度)おくと、ビン内空気層の雑菌を含んだ可能性のある空気を炭酸ガスの発生により物理的に追い出すことになります。
(その時カタカタと王冠が音をたてる場合もあります。)
 ※雑菌の繁殖とは、瓶内上部の空気層に悪さをする菌があった場合、気温の上昇などにより活発化しイースト菌を汚染することを言います。ビン詰め時の味見で既にすっぱ味を帯びた味がしていなければ、この方法で空気中の雑菌による汚染は避ける事が出来ます。特に夏場対策としては参考にされて下さい。  尚、この作業無しでも周囲の空気中にエタノールやアルコール等をスプレーし、雑菌を死滅させた環境であれば汚染される心配はないと思われますが、夏場は特に注意が必要です。

5.二次発酵

Q5-1. プライミングシュガーの役割
 
Ans. ***一次発酵では、糖分からイースト菌の発酵分解によりタンク内に発生した 炭酸ガスをエアーロックを通して放出し、アルコール(日本国内では1%以内)だけを残していましたが、 ビン詰め時に加えるプライミングシュガーはビン内での炭酸ガスの発生をそのまま封入するための糖分です。  これが少ないと仕上がったビールの泡立ちが悪くなったり、逆に多すぎると泡が 吹き出したりとなりますので、さじ加減は、大瓶で3gを基本に、 3.5g、4g、5g等グラニュー糖を計量スプーンで大まかに振るってビンに明記した上、ほぼ1ヶ月後に比べてみられたら良いかと思います。  泡立ちの量には個人の好みの差もあると思いますが、 私の場合は大瓶で約4〜5g、小瓶で約2〜2.5g大まかに漏斗と計量スプーンでグラニュー糖を加えています。  
  また、市販のスティックシュガー3g、5g等をそのまま使うのも重宝します。
  しかしながら、プライミングシュガーによる二次発酵は、糖の種類、分量、 温度変化により、安定にばらつきがあり、しかもモルトの種類や保存期間にも影響するため、グラスに注いでみるまで予測が付き難いと言うのが不安でもあり、楽しみでもあります。
  でもそれが市販品の様に瓶詰め時に直接炭酸ガスを封入するものと違い、 純然たる自然発酵による手造りの醍醐味とも思いますので、 泡、炭酸の量は お好みを確認する意味でも、色々とお試しになる事をお奨めします。  泡立ちがいいもの、泡保ちがいいもの、泡がクリーミーなものにするには・・・ と言うレシピは、個々の経験と好みでしか判断が付けられないと言うのが現状です。
  ビン詰め後2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月と飲み比べていくうちにだんだんと 味わいが変わってビールらしくなっていくのも楽しみです。  因みに、1年前に大瓶で3gのプライミングシュガーを加えたものを先日飲んで みました。当初は炭酸が少なく感じてやや不満だったのですが、 今回ヴィンテージ物として飲んでみたら、泡持ちも良く熟成した生ビールといった味わいになっていました。

6.器具の活用法

Q6-1. 比重計の見方
 
Ans. ***液面のバーの上部緑色の枠内〜1.010以内であればビン詰めはOKです。
  海外での醸造の場合、砂糖を加えた時点で良く攪拌しイースト菌投入前の比重を計ったとしたら比重計の測定値は、 下部のオレンジ色のライン(1.040〜1.034)に入ります。
 その後イースト菌の投入により発酵活動が始まり、添加により炭酸ガスとアルコールに分解され、炭酸ガスはエアーロックから放出されますが、アルコール分はそのまま残っています。 従って、初期比重1.040(仮定)から一次発酵後の比重1.010をマイナスしたものが 分解されて醸造されたアルコールとなり、そこに係数1.4をかけたものが、 大凡のアルコール度数と考えることが出来ます。 シュミレーションしてみると(1.040-1.010)×1.4=約4.2%のアルコール度数です。
  残った比重(1.006〜1.010)から水の比重1.000を引いたものは糖度と考え、 これ以上はいくら置いても1.000(=水)には近づきません。 その僅かな糖度(アルコール度)がビール溶液全体に利いています。

Q6-2. イーストの活性化(スターターボトル)
 
Ans. ***もし、1袋のイースト菌を分けてお使いになる場合は、 顆粒状のドライイーストを直接ビール液にふりかけず、事前にパワーアップと増殖をさせるために予備発酵させる方法もあります。(スターターボトルとも呼びます)
  *イーストの活性化は、広口の透明ガラス瓶(コーヒーの1kgビン等)に500ccのお湯と20gの砂糖を良く溶かし、20〜36度程度まで冷まします。
**そこにレモン汁半個分(ポッカレモンも可)とイースト菌を適当量ふりかけ、 軽く蓋をします。 時々ビンを軽くゆすって発酵を促進させ、そのまま5〜10時間すると表面に泡が立ち活性化したイーストが出来上がります。更に糖分と時間をかければイーストは増殖を続けます。
  まるで、微生物をペットにしている気分ですが、これをワオート(ビール液)に加えればすぐに発酵が始まります。 残ったドライイーストは、密封状態で冷暗所での保存であれば何年でも持ちますが、 密封状態でも夏場などで温度が高くなる場合は注意が必要です。 顆粒状にして休眠状態になっているとは言え、やはり長期間使わない場合は冷蔵庫などに保管して下さい。

7.トラブル対処法

Q7-1. ボコボコいわない・・(発酵しない?)
 
Ans.

***一度たりともボコボコを聞かずに発酵が終わっていたと言う話は直々聞きます。
原因として蓋の締め具合がきつ過ぎたか、あまかったことにあります。  蓋とタンクの溝切りは、ばらつき無く均一に射出成形されていますので噛み合 わせには問題はないと思われますが、ゴムパッキンは丸棒状のものを切って接着 してありますので、これが意外と外国製のために各品とも誤差があります。 実際私が使用している物も、蓋の溝にはめてピタッと落ちてこない物と、溝から 落ちてしまう物とあります。 それがきつく締められ過ぎると、よれたりして隙間をつくったり、ゆるすぎても パッキンの役目を果たさなかったりします。  そのことに気づいて、きつく或いはゆるく閉め直しても既に発酵が終わってい て、果たして本当に発酵したのかやはり不安になりますので、その件をチェック するには一次発酵の真っ最中の1〜3日のうちに試してみる必要があります。
また、 このボコボコの一次発酵期間は、モルトの種類、温度 状態、糖分の種類、イースト菌のご機嫌次第で千差万別です。
 その後の発酵したかどうかの確認方法として、
1. タンクの外側から見て、 液体面の高さが上昇した形跡があるかどうか?
2. 乳白のタンク内側に茶色の基線が残っているかどうか?
3. コックからコップに少々抽出し、その際若干の気泡が見られるかどうか?
4. 飲んでみて「ビールらしい味がするか?」「ただ甘いだけか?」等々・・  
5. 最後に蓋を開けてみて(エアーロックを外してから蓋を開けて下さい。ゴボゴボと逆流します。)泡の立った痕跡もチェックして下さい。
 発酵していなければ、水位 の変化が起こった痕跡が何も見られません。  
6. 最も確実に判定する方法は、仕込みを終えイースト菌を添加する前に、比重計で糖度を測っておくことをお薦めします。
発酵が進んでいればその初期比重は、1日1日軽くなっていきます。 一次発酵完了時には比重計の緑色のライン1.004〜1.010になりますので、この時点で発酵は完了です。
更に1〜2日間は、対流したイースト菌を沈下させビールをクリアにするために 出来れば動かさずにそのまま瓶詰めができる高さの所に移動しておいたら良い かと思います。

注:)海外でミニ樽キットを用いてアルコール度約5%、総量8Lを醸造する場合は、マニュアルに記載の通り300g程度の糖分を加えています。
良く攪拌し溶け込ました初期比重は約1.035〜1.040前後です。
夏場で4〜5日、冬場で8〜9日後には1.004〜1.010となりますので活動を終えたイースト菌を沈下させた後ビン詰め作業に移ります。

注:)海外でWANDERキットを用いてアルコール度約5%、総量22Lを醸造する場合は、マニュアルに記載の通り1kg程度の糖分を加えています。
良く攪拌し溶け込ました初期比重は約1.035〜1.040前後です。
夏場で4〜5日、冬場で8〜9日後には1.004〜1.010となりますので活動を終えたイースト菌を沈下させた後ビン詰め作業に移ります。


Q7-2. ステアライザー混入!
 
Ans. ***ボトリングの際にはエアーロックを外して行わないと、タンク内は減圧状態ですので、ゴボゴボと逆流が起こります。外さずに行ってステアライザー溶液が混入したとしても、分量としては僅かですし、何よりもステアライザーは何ら有害ではありませんので、そのままビール液に混入した状態で飲まれても人体には影響はありません。 また、タンク、ビン等の消毒にも使用しますので、実際には微量づつは体内に入り込むものです。無害なものとして、メーカーも対応しています。

8.○○って何?

Q8-1. 「ホップペレット」って何?
 
Ans. ***当店で扱うホップペレットは、野生種のホップを直径6mm、長さ1.5cmの円筒状に加工したNewZealand製の物です。 BlackRock社のモルトエキス缶には全種類ともホップエキスが既に添加されています。
  オーストラリア、ニュージーランドのビールの素の多くは、プライド・オブ・リグウッド という香りが少ないホップを使っています。モルトエキス缶にもこのホップからとったエキスが入っていますが、残念ながら香りという点では些か物足りなさがあります。  
  より味わい深いビールとして自分流の苦みと香りを引き立たせたい場合は、 麦汁の煮込み時にホップペレットを溶け込ませます。 (煮込みはモルト1kgに対し、お湯概ね3リットルの割合 ) 
 加え方は、ホップの種類(α酸含有値)、使用量、煮立てる時間、タイミングや ブレンドする等々・・。お好みに応じた調整で無限に違いが出ます。
  α酸含有値が高い「グリーンピューレ(11%)」を苦み用のビタリングホップとして 使用する場合、煮込み始めに1/2(総量22Lでは約10g)を60分程度煮立て、 焦がさない様に弱火でゆっくりと静かにかき混ぜながら麦汁にα酸を溶け込ませます。
  次に、香りづけ用にフィニッシングホップとして残りの1/2(総量22Lでは約10g) を添加し、2〜3分したら火を止め、そのままタンクに麦汁を移します。  
また、α酸含有値が低い「ハレルタウア(5〜6%)」は苦みが少なく、香りづけ にも向きます。
煮込み最後の2〜3分前に溶かし込むだけでもさわやかなアロマを 引き出します。  
  ホップを加えることでビールの品質がアップする訳ですが、その他の効用としては、
1. ビールの腐敗や変質を防ぐ防腐効果がある。
2. 雑菌の繁殖を抑える。
3. 余分なタンパク質を凝固し、除去することで澄んだものにさせる。
4. 香りを増し、クリーンな味にする。
5. 泡保ちをよくする。・・・等々あります。
「グリーンピューレ(α酸含有値11%)」と「ハレルタウア(α酸含有値5〜6%)」100g入りはいづれも ¥1000にてラインアップしておりますので是非お試しになってみて下さい。

Q8-2. ドライイーストの働き
 
Ans. ***イースト菌は1袋5g入りで、1.7kg、550gモルトエキス缶、共に同じ物を使っています。このドライイーストは湿度や温度など一定の条件が揃うまで活動を停止した状態になっています。つまり冬眠状態にあります。 糖分を食料にして新陳代謝を繰り返すのですが、ひとたび条件が整えば、ネズミ算式に倍々と増え続け、良い条件であれば2時間に1回のペースで次の世代を生み出します。
  24時間後には1粒のドライイーストが4000個体、48時間後には1670万個体にまで増殖を続けます。
  従いまして、モルトエキス何gに対し、何gのドライイーストを添加するというきまりは、 特にないのですが、イーストが強いか弱いかでもビールの出来上がりが左右されます。 また、生き物ですので条件により活性が悪かったり、冬眠のまま目覚めてくれない個体もあるかもしれず、開封後の保存にも些か注意が必要ですので、1回に1袋をお使いになることをお奨めしています。

Q8-3. 比重計について
 
Ans. *** まず、比重計のチェックとしては、水を計測すれば1.000になりますが、 温度により若干の誤差が生じます。しかし、あくまでも目視での計測である上、 アルコール度には大きな影響はありませんので補正値は無視して下さい。 測定値は1.000になるはずです。  次に、初期比重を、イースト菌を添加する前に計測して下さい。 約22リットルのビール溶液に1kgの砂糖を良く混ぜて計測すると、 比重は1.040前後になるはずです。 マニュアルの手順でいくと、NO5でイースト菌を添加する前に行って下さい。  アルコール度は簡単に解釈すると、  砂糖を加えた時点の発酵前の比重は1.040前後ですが、 イースト菌を添加し、発酵が始まると、炭酸ガスとアルコールに分解されます。 炭酸ガスはエアーロックから放出されますが、アルコールはビール溶液内に残ります。 従って比重(糖度)は発酵が進むにつれて1.030・・1.020・・・・と、 軽くなって行きます。 マニュアルには1.004〜1.008で一次発酵完了となっていますが、 砂糖1kgでアルコール度約5%のビールを造ろうとする場合は、1.010 (1.008〜1.012)前後になれば一次発酵完了です。 ビン詰めを行って下さい。 但し、直々計測する必要はありません。約1週間後に行って下さい。 比重計は、途中ボコボコと変化が現れない様な場合に発酵具合を確認する意味で使用する 目的と、初期比重値から一次発酵完了後の比重値の変化からアルコール度を計算する為の 目的があります。 例えば、1.040(初期比重値)から1.010(一次発酵完了後の比重値)を減算し、 係数140を掛けたものが、アルコール度数と考えることが出来ます。 この場合、4.2%となりますが、更にビン詰めの際に泡と炭酸ガスを作り出す目的で 添加するシュガーにより、若干のアルコール度が付加され約5%のアルコール度となります。  尚、 エアーロックを付けた状態でのコックからの抽出は、(比重計測・ボトリング時)は、 エアーロックを外して行って下さい。タンク内は減圧状態の為、エアーロック内の液体が逆流します。

Q8-4. 泡保ちの良いビール!?
 
Ans. ***一口に泡保ちと言っても「泡が出ること」「泡が長持ちすること」「泡がきめ細かであること」等々あります。 一般的に泡が出にくく、飲んでみても炭酸っぽい刺激が足りないと感じる場合は、瓶詰め時に加えたプライミングシュガーが足りなかったか、ビールに充分溶け込んでいないことが考えられます。
 また、一般的に砂糖の量が充分でも、瓶詰め後の二次発酵期間が短すぎたり、 瓶を保管する場所が寒すぎると炭酸は出来にくくなります。 プライミングシュガーによる二次発酵も、糖の種類、分量、温度変化により、安定にばらつきがあり、しかもモルトの種類や保存期間にも影響しますので、注いでみるまで予測が付き難いと言うのが不安でもあり楽しみでもあります。
 しかし言えることは、市販のビールの様に炭酸ガスを直接封入して作り出す泡立ちとは根本的に違うものだと、心得ていた方が良いと思います。泡立ちがいいもの、泡保ちがいいもの、泡がクリーミーなものにするには・・・ と言うレシピは何処にもなく、個々の経験と好みでしか判断が付けられないと言うのが現状です。
 泡持ちが悪いのならビールの仕込み材料を改善 する必要があるかもしれません。 特に、アルコール度を高める為に砂糖を多く使い、モルトエキスが少ないと泡持ちは悪くなります。
 また砂糖の種類によっても泡保ちは変わってきます。 最も適しているのは発酵しやすいグリコース(ブドウ糖)の様です。市販品での適量は、菓子材料店等で見つけることができるかもしれませんが、それほど販売されていませんので、地元の酒造メーカや菓子、ケーキ屋等に卸している食材卸問屋から、25kg入りを購入する方法もあります。価格は5〜6千円程度かと思います。
  また、その逆に砂糖を添加せずオールモルトに近いほど泡持ちはよくなると言われていますし、ホップペレットも別途添加されれば、一般的には泡保ちをよくする効果があります。

9.その他

Q9-1. 糖分の種類
 
Ans. ***糖類であれば白糖、ブドウ糖、キビ糖、黒糖、ハチミツ、三温糖、甜菜糖、等々 なんでもお使いになれます。  同じモルトエキスでも糖類に変化を持たせることで風味とコクにも違いが現れます。また、それぞれに発酵速度の違いがあります。
  ミックスしても大きく違いますので色々とお試しになってみて下さい。 但し、エキスと糖類の相性もあります。  個々の好みもありますので、一概に何と何が良いと言うレシピは無いのですが、 私の経験から、ビター系と黒糖は相性が良くなかったです。 尚、キビ糖をご使用になる場合の分量ですが、白糖を標準とした場合の糖質は 約1%減となります。差はほとんどありませんので、同じ分量でお考え下さい。

Q9-2. モルトエキス缶の内容量の違い
 
Ans. ***ラガーは1.5kgの内容量です。 他にも何種類か御座いますが、同じ総量で造った場合1.7kgに比べて薄くなるとかアルコール度が少なくなると言うものではありません。 逆に生産の過程での糖分量等が多くなる為、濃縮度を高くして、同じ条件での醸造が出来る様、生産工場で調整をしています。  

Q9-3. オールモルト
 
Ans. ***砂糖類を一切加えずモルトエキスだけで造る100%のオールモルトが本来のビールだと思います。
  海外で、22Lタンクに1.7kgの モルト缶で約5%のアルコール度の醸造を行う場合には、総量は半分の10〜11L で仕上げます。又はモルト缶×2缶を使います。銘柄のミックスによっても幾通りにも味わいを楽しめます。  その他のレシピについては千差万別です。個人的な好みや毎回均一の味を出すのも 至難の技ですが、レシピについては情報をお寄せいただき今後サイトにも掲載させて行きたいと思います。

Q9-4. ビール酵母(オリ)の活用法
 
Ans. ***タンク底に溜まったビール酵母(オリ)の有効活用の事例等 についてですが、
このオリは、イースト菌が糖分をアルコールと炭酸ガスに分解しながら増殖していき、 活動を終えて静かに沈殿していった休眠中の成れの果てです。 そのまま呑んでも害はないどころか、ビタミンの宝庫です。その酵母を原料にした 「エビオス」や「強力わかもと」が市販されているのはご存じのことと思います。  
  ビール酵母に含まれている抗酸化力「有機セレニウム」と「ビタミンB群」は、 胃腸に良い、糖尿病や痛風に効く、抜け毛や老化予防にいい、心臓病や動脈疾患、 さらにはガンの治療にも役立つという数々の報告があり健康雑誌にも度々取り上げ られています。  
  市販ビールは鮮度保持の目的からビール酵母は全て取り除かれていますが、 私達の自家製ビールにはたっぷり含まれています。  飲んでいるだけでも身体に良いことは勿論のことですが、タンクの底に溜まった オリを捨ててしまうのは余りにもったいない話とお考えになるのはごもっともとです。  私は、若ビールを一通り瓶に詰めた後、時々タンクを傾けて、ゴボッゴボッと フィラーからオリが通り難くなるまで瓶に移し、「オリのビン詰め」としてそのまま保存しています。
 生憎、これと言った有効な活用には私自身利用していないのですが、会員の皆様の中には
「ぬか漬け」や「塩漬け」に混ぜてやると浸透率が上がり、良く浸かって 味も格段に美味くなるとの報告を頂いています。  
  また、天ぷらや竜田揚げの揚げ粉に混ぜたり、工夫次第で料理のレシピにも加えられると言うことです。  乾燥させて粉状にすれば更に使いやすいと思い、コーヒーのドリップペーパーを フィルター代わりにして水分を落とし、オリだけを付着させようとしましたが、 なかなか上手く行きませんでした。
  その他の活用法や粉状にする良い方法があれば情報をお寄せいただきたいと思います。

Q9-5. ビール瓶の入手
 
Ans. ***ビール瓶の入手方法ですが、酒屋さん等から空ビンを分けてもらえます。(昨今では分けてもらえないお店もあると聞きますが) 大瓶、小瓶に関わらず1本10円程度です。ケースは200円程度ですので、 1ケース20本で合計400円見当かと思います。 但し、ご自分で飲み終えたビンは2〜3度水ですすぎケースに逆さまにして保管し、 ビン詰めの際、消毒してお使いになれますが、 酒屋さん等から分けてもらった空ビンは底に汚れがありますので、キッチンハイター等除菌剤を水で薄めて洗ビンブラシで洗浄して下さい。かなりのカビがある場合は除菌剤を入れたままで暫く放置してから洗って下さい。
  洗浄後は逆さまにして保管し、ビン詰めの際、キット同梱のステアライザー等で消毒してお使い下さい。 1回の醸造でMAX22リットルですのでそれに見合うビンの本数があればまずはOKです。 次回分はその飲み終えたビンを2〜3度水洗いして逆さまに保管して備えて下さい。  
  尚、蛇足ではありますがビン詰めの際、何本かは小瓶を用意され、 1週間、2週間、3週間後にワクワクしながら飲み比べてみて下さい。 だんだんとビールらしい味に変わっていくのがお解りになると思います。 また若い味のビールを大瓶で飲むのは些かもったいない気がすると個人的に思い ますし、お裾分けするにせよ先方のお口に合うかどうか、まずは小瓶でお試しいただくにも役に立つかと思います。

Q9-6. モルトエキスの保存法
 
Ans. ***BlackRock、ITONA社の1.7kg缶、1.5kg缶をミニ樽キットにお使いの場合に、残った分のモルトエキスの保存法、注意点ですが、残った分は別容器に移し、風味、雑菌から守るためにふた又はサランラップ等で密閉し冷蔵庫に保管して下さい。  冷蔵庫に保管と言っても雑菌の宝庫ですので初回の仕込み後は出来るだけ早く次回、または次次回の仕込みを行い、使い切ることをお勧めします。
  また、冷蔵庫から取り出したときはモルトエキスが固まっていますので、粘度を軟らかくするためにそのまま湯に浸けられる様なガラス製の容器に予め保存してお使い下さい。
 出来れば目盛りも付いる調理用メジャーカップ「PYREX」や、予めインスタントコーヒーの空びん等に目盛りを付けておくのもお奨めです。

10.「まいビアらんど」

Q10-1. 「まいビアらんど」って?
 
Ans. ***「まいビアらんど」の前身は「新潟手造りビール交流会」なる会員組織から始まりました。
1995年”地元に手造りビールの文化を創る”ことをモットーに、5〜6人の愛好家が発起人となり、簡単で楽しく、健康的で、しかも奥の深い究極の趣味である手造りビールの文化を、もっと多くの人に知ってもらいたいと、 せっせと醸造しては、知人に配ったりしていました。
  大量消費だった時代から、ゆとりを持った家庭でのリサイクルにも繋がる手造りビールは、きっとこれからの時代には求められるべきものだと考え、会報による情報交換や、 年に2〜3度の飲み比べパーティーを実施しながら会員の輪は広がっていき、やがて年代も職業も様々な男女150人程の会員組織となりました。
 しかし現状に於いてもそうですが、醸造キットの紹介はするものの、当時は手近に入手できるビールキットの流通がなく、都度取り寄せていましたがそれも安定した流通ではありませんでした。 止む無く輸入元から大量に入手することとなり、商品を融通し合ってきましたが、交流会の適正な運営のためにも斡旋販売は分離させることとし、「まいビアらんど」が誕生することとなりました。
 丁度その頃、規制緩和により地ビールブームが各地で花盛りとなっていましたが、家庭で造る 「手造り自ビール」は今一つ盛り上がりがない様に思えました。 個性豊かなビールを自らが楽しみながら造り、語らいながら家庭で飲むことができる時代が日本でも早く解禁されないものかと願いつつも、国内での醸造法に従ったビールキットは少しずつ市場に出回り始めていた時でしたので、
少しでも多くの方に存在を知っていただける様、「まいビアらんど」は1997年5月にホームページを開設し現在に至っています。

Q10-2. 「手造りビール交流会」(取材記事から)
 
Ans. ***最近「趣味は料理」という男性が多くなってきたようです。そこで今回は、そういう皆さんにも参考にしていただこうということで、ビールを自分たちで作って楽しんでいる「新潟手造りビール交流会」のみなさんをご紹介しましょう。
「平成7年の秋ごろ、私が最初に呼びかけた時は6人だったんですが、あっという間に会員が増えて、今では県内に150人です」と代表を務める桑原広栄さんも、急激な会員の増加に驚いています。30代から60代までの職業もさまざまな男女が集まっています。
ビール作りの魅力は?「作る楽しみと、飲む楽しみの他、自慢しながら人に飲ませる楽しみかな」と答えが返ってきました。 家でのビール作りというと面倒そうですが、手軽にできる容器と材料がセットになったキットが販売されているとか。
味の基本であるモルト(麦芽)とホップの入った缶詰は、ラガー、日本でいう生ビールの味わいのドラウト、本格的な黒ビールのスタウトなどいろいろな種類があり、それらを混ぜて楽しむこともできます。
  みなさんそれぞれに試行錯誤をしながら自分の味を作り出しています。 冬場はビールを仕込んだ容器の下に電気座布団を敷いたり、水を張ったケースにタンクを入れたり各自工夫しているとか。そして当然、水にこだわる会員もいて、名水を求めてあちこちと走りまわっているそうです。
  会員が自慢のビールを持ち寄り、投票で一番美味いビールを決める「手造りビールチャンピオン大会」やワインのソムリエを真似た「味当て大会」そして、家族みんなが参加する「ガーデンパーティ」では、大人から子供まで一緒になって楽しみます。また年数回発行している会報で、技術の向上やコミュニケーションを図っています。ビールが大好きというあなた、ぜひ一度トライしてみませんか。

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